第31回 向田邦子賞

 「はつ恋」(2012年5月22日〜7月17日放送 NHK総合)と「ドクターX〜外科医・大門未知子」(2012年10月18日〜12月13日放送 テレビ朝日系)の2作品を手がけた中園ミホ氏が第31回向田邦子賞を受賞!

※「向田邦子賞」について、詳しくはコチラをご参照ください。

贈賞式レポート

「第31回向田邦子賞」受賞された中園ホさん

 2013年5月28日(火)、「第31回向田邦子賞」(向田邦子賞委員会、株式会社東京ニュース通信社主催)の贈賞式が東京都千代田区の帝国ホテル「光の間」にて行われました。今年は、「はつ恋」(2012年5月22日〜7月17日放送/NHK総合)と、「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(2012年10月18日〜12月13日放送/テレビ朝日系)の脚本を手がけた中園ミホさんが受賞されました。贈賞式では、賞状が選考委員の池端俊策氏から贈られ、本賞の特製万年筆と、副賞の300万円が弊社代表取締役会長・奥山忠から贈られました。

 受賞作の「はつ恋」と「ドクターX〜」は、まったくテイストの異なる作品でした。
 「はつ恋」は、言語聴覚士として働く村上緑(木村佳乃)が、年下の夫・潤(青木崇高)と幼い息子に囲まれて幸せな日々を送っていたある日、肝臓がんを告知されるところからストーリーが始まります。潤は難しい手術を執刀できる医師を必死で探し出しましたが、緑の前に現れたのは、かつて自分をひどく裏切った初恋の人・三島匡(伊原剛志)でした。ヒロインの緑と、初恋の人、年下の夫の3人の大人の苦悩と愛と、それぞれが求める幸せを描いた、甘くて切なく、狂おしい大人の純愛物語です。
 一方、「ドクターX〜外科医・大門未知子」は、天才的な腕を持ちながら組織に属さず、病院を渡り歩くフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)が医師不足に陥った帝都医科大学第三病院にやってきたところからストーリーが始まります。着任早々、院長の手術法に異議を唱えるなど破天荒な未知子の態度に新人外科医・森本(田中圭)らは反感を抱き、未知子と対立。群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌う・・・クールでタフなスーパードクターの大門未知子の戦いを描いた医療ドラマです。

池端選考委員から選考経過をご説明いただきました

池端俊策選考委員から選考経過をご説明
いただきました



弊社会長・奥山より本賞と副賞の授与をされる中園さん

弊社会長・奥山より本賞と副賞の授与をされる
中園さん

 池端選考委員は「今年はわりあいオリジナル作品が多く、候補作品も多く出そろいました。脚本家がドラマ界を引っ張っていくためには、技術だけでなく作者としての『顔』が必要だと思います。向田邦子さんはそれを示された人。この賞はそういう方に贈呈する賞だと考えて我々も選考し、満場一致で中園さんに決定いたしました。中園さんは既に個性的で印象に残る作品を書かれていて、『顔』のある脚本家だと思います。少し遅いぐらいの受賞ではないかと思いますが、どうもお待たせいたしました。おめでとうございます」と称賛の言葉を贈りました。

 壇上で祝福された中園さんは「欲しくてたまらなかった賞です。本当に幸せです。私は早くに両親を亡くし、あまりついていない人生だったと思っていたのですが、なんとかやってこれたのは、大好きなテレビドラマがあったからです。大切なことはみんなドラマから学びました。人生がうまくいっていない時ほど、テレビドラマの台詞って深く染みるんですよね。とにかく子どもの頃から向田邦子さんのファンで、大学生の時は向田邦子さんのストーカーでした(笑)。向田さんにひと目お会いしたくて何日も青山の周りをウロウロしたこともありました。結局、ついてなくて一度も向田さんにはお会いできませんでした。その後脚本家を目指して、よく向田さんとお仕事をなさっていた演出家の久世光彦さんの事務所に押しかけたこともあります。その時に言っていただいた『君は向田邦子のような才能はないけれど、おでこの形が向田さんにちょっと似ているかもしれない』という言葉に、まさにすがって生きてきました。おでこの形が似ているということは、脳みその形も似ているんじゃないかと自分に言い聞かせ、脚本家という仕事にすがりついて、今日こんな晴れがましい場所に立っています。向田邦子さんは私にとって特別な作家です。だから、この賞も私にとって特別な賞です。この賞を励みに、ますます精進したいと思っています」と受賞のあいさつをされました。

乾杯のご発声は、中園さんと古いお付き合いのある作詞家・秋元康氏

乾杯のご発声は、中園さんと古いお付き合いのある
作詞家・秋元康氏

 会場には、「はつ恋」に出演された伊原剛志さん、青木崇高さん、「ドクターX」に出演された室井滋さん、勝村政信さんらキャストのほか多数の芸能関係者、NHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサー・小松昌代さん、テレビ朝日のゼネラル・プロデューサー・内山聖子さんをはじめとする各テレビ局関係者ら約250名がお祝いに駆けつけました。

 「はつ恋」出演者の伊原剛志さんは「久しぶりに毎回台本を読むのが楽しみでした。梅雨時の撮影だったのに天気にも恵まれ、現場ではさまざまな化学反応が起こっていたと思います」、撮影中に盲腸の手術をしたという青木崇高さんは「体調が悪くても絶対やりきってやろうと思った現場でした」と撮影時のエピソードを語り、「ドクターX」出演者の室井滋さんは「中園さんは中高年の心をつかむ天才」、勝村政信さんは「こんなに速い勢いで走っていく脚本家さんと一緒にお仕事できるのは、役者冥利(みょうり)に尽きます」と、それぞれ祝福のスピーチをされました。

「はつ恋」、「ドクターX〜」に出演されたドラマキャストもお祝いに駆けつけてくださいました

「はつ恋」、「ドクターX〜」に出演されたドラマキャストも
お祝いに駆けつけてくださいました

 この日、都合により贈賞式を欠席された「はつ恋」主演の木村佳乃さん、「ドクターX〜」主演の米倉涼子さんからは、ビデオメッセージが寄せられました。木村さんは「久しぶりの大人の恋愛ドラマで自分にできるのか不安でしたが、中園さんの脚本はセリフが簡潔で不自然なところが一切なく、とても覚えやすかったのが印象的でした。またぜひ中園さんが描かれる女性を演じたいです」、米倉さんは「たくさんの方に喜んでいただいた作品を作っていただき、感謝しています。米倉涼子という人物の中から言葉作りや役作りをしてくださって、とても演じやすかったです」と中園さんに感謝と祝福のメッセージを贈られました。

 中園さんは終始笑顔で会場内を回り、招待客の方々と受賞の喜びを分かち合っていらっしゃいました。